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白内障と言われて、

治療は手術と言われたけど…

ブルーベリー、アサイベリー、ビルベリー、ルテイン、DHA、EPAでも飲んで

免許が通ればそれで良いんだけど?

なんて思う方への回答が下にあります。

白内障にサプリメントは必要だと思いますか?

ルテインやその他サプリメントが有用かどうかの話は、

加齢性眼疾患研究(Age-Related Eye Disease Study;AREDS)、

及び2013年5月に発表されたその追跡調査(AREDS2)を考える必要があります。

http://www.koyojapan.jp/pdf/TOPIX_184.pdf#search=%27AREDS2%27
米国国立眼科研究所がスポンサーとなって実施された規模の極めて大きな研究であるAREDSでは、3,500人を超える被験者が参加し、これらの被験者について平均で6.3年間追跡調査が行われました。
高用量の亜鉛、ビタミンC、ビタミンE及びβ-カロテンからなる抗酸化サプリメントの摂取を受けた群では、プラセボ群と比較して被験者の病気が進行しにくいことを研究者は見出しました(それぞれ、20%、28%)。中等度のAMD(広範囲に及ぶ中間規模のドルーゼン若しくはいくらかの大規模なドルーゼンを認める)、又は少なくとも片眼に進行性のAMD(脈絡膜新生血管形成若しくは地図上萎縮を認める)のある患者さんでこのような保護効果が観察されました。初期段階のAMDの患者さん、及び白内障形成に対する保護効果は認められませんでした。

AREDS2では、全米85ヵ所の研究施設で4,200人のAMDの患者さんが5年間にわたる追跡調査
の対象となり、AREDS開始時点から得られた眼の栄養に関する新しい知見を取り込む試みが行われました。そこで、私たちの黄斑に局在する
ルテイン及びゼアキサンチン並びに魚油に由来するω-3脂肪酸(EPAとDHA)の追加が当初のAREDS処方で得られた結果に改善をもたらすか調査が行われました。また、患者さんに対する安全性を向上するかもしれないAREDS処方の変更についても検討が行われました。とりわけ、高用量のβ-カロテンが現在及び過去喫煙者において肺癌を助長する可能性が、また、高用量の亜鉛が消化管又は尿路に問題を引き起す可能性が懸念されました。AREDS2では、当初のAREDSで得られたベネフィットをさらに25%向上させようとする野心的な主要目的はかないませんでしたが、幾つかの重要な結果と指針が新たにもたらされました。まず、ルテイン・ゼアキサンチン群に割り付けられた被験者は、そうでない被験者と比較して、進行性AMDのリスクがさらに10%低下することが明らかになりました。この改善度合いは、処方からβ-カロテンを除いた場合に倍加しました。その原因はきっと、β-カロテンがルテインとゼアキサンチンの吸収を阻害したからだと考えられます。残念ながら、魚油のサプリメントは、AMDによる失明リスクに有益な作用を及ぼしませんでした。また、サプリメントのなかで白内障形成を予防した組み合わせはありませんでした。
重篤な副作用報告はありませんが、肺癌の発生リスク上昇ゆえ、現在・過去喫煙者は高用量のβ-カロテンサプリメント摂取を避けるべきでしょう。AREDS2では、亜鉛レベルについていかなる変更も推奨していません。また、AREDS2で採用されたレベルより高い用量のビタミンEは、心血管系の問題との関連が指摘されています。
ハーブ系の化合物(ビルベリー、イチョウ、コゴメグサ等)が健康食品業界によってAMDリスクにある人向けに広く推進されてきました。それらの有効性を裏付けるだけの科学的な試験が実施されていないため、その利用に賛成あるいは反対するためのいかなる提言も現時点ではすることはできません。
AMD用抗酸化サプリメントの1日推奨量
・酸化亜鉛 80 mg (酢酸亜鉛のような他のタイプでも25 mgの低用量であれば可能)
・酸化第二銅 2 mg (亜鉛によって引き起こされる銅の欠乏症を相殺するために)
・ビタミンC 500 mg

・ビタミンE 400 IU(国際単位) (これより高い用量は摂取しないこと)
・ルテイン 10 mg (これより高い用量も可能)
・ゼアキサンチン 2 mg (これより高い用量も可能)

お分かりでしょうか?

β-カロテン、亜鉛、銅、ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、EPA、DHA、ビルベリー等、どれか、全部飲もうと、白内障への治療効果、進行予防効果は認められていません。

ルテイン、ゼアキサンチンは加齢黄斑変性症への進行予防効果は考えられますが、
中等度、進行性の加齢黄斑変性症への効果は認められても、
軽度の加齢黄斑変性症への効果は認められていません。
なおのこと、
加齢黄斑変性症ではない人が飲んで、網膜機能が改善して視力向上なんて話はありません。
しかも、ルテインだけを飲んで効果は認められていません。
上記の亜鉛、銅、ビタミン等を規定容量加えないと効果が認められていないのです。

加齢黄斑変性症の患者さんが、AREDS2を参考にサプリメントを考えるなら

話は分かるのですが、
・角膜混濁
・白内障
・糖尿病網膜症
・網膜静脈閉塞症
・網膜動脈閉塞症
・裂孔原性網膜剥離
・原田病を含むぶどう膜炎 など、
上記のような角膜や水晶体、網膜疾患には何の効果も認められていません。
分かり易く言うと、ルテインはこれらの病気には何の効果もありません。
更に言うと、
糖尿病網膜症の人がブルーベリーを食べる、サプリメントを飲めば、血糖値が上がり、糖尿病は悪化します。
効果が無いどころか、実害が出ます。

そんなに効果があるものであれば、サプリメントでなく、薬になっています。

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